今年も新入社員を迎える季節を迎えました。弊社でも毎年恒例となっている「ビジネスマナー研修」が先日、無事に終了しました。
弊社では、お客様の研修は会社総出で取り組む一大プロジェクトです。私自身も、現場に立ち、直接お客様の新入社員向けに講義を行っています。今年は特に規模の大きな2社――およそ600名規模のアパレルメーカーと土木関連企業で実施する機会をいただきました。それぞれに20名から30名ほどの新入社員の皆さんが参加され、非常に充実した時間となりました。
業種が異なれば、研修の雰囲気も異なります。アパレルメーカーの研修では、女性社員の比率が高く、雰囲気もやわらかく、丁寧な姿勢が際立っていました。一方で、土木系企業では男性比率が高く、元気がよくハキハキとした受け答えが印象的でした。
業界は違えど、共通していたのは「学ぶ姿勢の真剣さ」。はじめての名刺交換、はじめての電話応対、はじめての敬語トレーニング。どれも最初はぎこちなくても、一つひとつに真剣に向き合い、質問も積極的。そんな彼ら彼女らの姿を見ていると、毎年のことながら、自分自身の“はじまり”を思い出さずにはいられません。
今でこそ社長という立場にいますが、私もかつては一新卒として社会に飛び込み、右も左も分からないまま、多くの人に支えられながら、少しずつ成長してきました。だからこそ、新人の皆さんの不安も、戸惑いも、ワクワクも、よくわかります。そして彼らのまっすぐな眼差しに触れると、「自分ももっと頑張らなければ」と、自然と背筋が伸びます。
新入社員研修というのは、単なるマナーの習得ではありません。「社会人としての第一歩を踏み出す」ための準備であり、学生と社会人の切り替えをする場です。教える側もまた、その文化や価値観を自ら再確認する機会になります。実際、研修を行う中で「この説明、もっと分かりやすくできるな」「これは自社でも見直した方がいいかもしれない」といった気づきを得ることもしばしばあります。
弊社では、こうした研修を通して、新人と企業、そして私たち支援者が“共に育つ”環境づくりを大切にしています。一方的に知識を与えるのではなく、「一緒に成長していく」こと。その姿勢こそが、これからの組織には求められると信じています。
今年も、フレッシュなエネルギーをたくさんもらいました。きっと彼らはこれから、いくつもの壁にぶつかることと思います。でも、最初の一歩をしっかり踏み出せたのなら、あとは着実に前に進んでいけるはずです。
私たちはこれからも、そんな“最初の一歩”を支え続ける存在でありたい。
そして、社会人としてのスタートラインに立った皆さんの「これから」に、少しでも良い影響を与えられる存在でありたい。そんな想いを改めて強くした春の研修シーズンでした。