製造業で深刻化する“伝わらない問題”とビジネスコミュニケーション

弊社は愛知県に本社を構えておりますので、愛知県内の製造業様のご支援もあります。
その現場で、こんな声をよく耳にします。

「言ったつもりが伝わっていない」「報告が遅れてトラブルになった」「他部署との連携がうまくいかない」

こうした状況は一過性の問題ではなく、職場の構造的なコミュニケーション課題として、じわじわと企業活動の足を引っ張りつつあります。

製造業に見られる“伝わらない構造”の特徴

愛知県は日本有数の製造業集積地として知られ、現場力・技術力を重視する企業文化が根付いています。しかし、その強みの裏側で、以下のような傾向がビジネスコミュニケーションの障壁となっています。

「見て覚えろ」のOJT文化が根強い

多くの製造業では、先輩の背中を見ながら仕事を学ぶOJTが主流です。細かな指示や確認を省略し、「言わなくても分かるだろう」という空気が残っています。
この暗黙知の文化は、若手社員や中途入社者にとっては不明確で不安なものになり、情報共有のズレや遠慮による報告不足を生みがちです。

技術職と事務職・営業職との断絶

設計・開発・製造など技術部門と、営業・総務などの事務部門との間に、言葉の定義や目的意識のズレが起こりやすい構造になっています。

大企業では、共通言語が決められているケースが多いですが、中小企業では社長が言う言葉、役員が言う言葉、部長がいう言葉、先輩がいう言葉それぞれ異なるけーすがあり、そもそも言葉の定義が定まっておらず、技術者が「伝えたつもり」でも、事務側にはニュアンスが伝わらず、結果として意思決定の遅れやミスに発展することもあります。

世代・外国人とのギャップが拡大

年齢層が高めの現場では、世代間の価値観やコミュニケーションスタイルの違いが顕著になっています。
また、外国人労働者の増加により、言語以前に“前提の常識”が通じない場面も増えているのが現実です。
その中で、「あいつは空気が読めない」「何度言っても分からない」といった摩擦が起きています。

なぜビジネスコミュニケーション研修が必要なのか?

ビジネスコミュニケーションとは、単に「話す」「聞く」スキルではなく、目的を共有し、ミスなく、信頼関係を持って業務を進めるための「仕事の土台」です。

製造業で特に求められるのは、以下のような力です。

・現場から管理部門への正確な情報伝達
・報連相を通じたミスや異常の早期発見
・他部署や外注先との協力体制づくり
・多様な人材(年齢・国籍)との対話力

これらは一朝一夕で身につくものではなく、意識して学び、組織全体で改善していく必要があるスキルです。

よくある誤解:「技術があれば、コミュニケーションはいらない」

多くの現場で見られるのが、「腕があれば問題ない」「黙々とやってくれればいい」といった考え方です。
しかし実際には、現場力とコミュニケーションは切り離せません。

たとえば、新しい製造ラインを立ち上げる際、複数部門での連携が必要になります。そこで起きる“認識のズレ”や“伝え漏れ”が大きな損失につながることも珍しくありません。

つまり、どれだけ優れたスキルを持っていても、それを共有・連携できなければ、成果にはつながらないのです。

製造業だからこそ、伝える力が必要

製造業における強みは、技術やノウハウといった「人」に宿っています。その人たちが、組織の中で正しくつながり、動ける状態をつくるためには、ビジネスコミュニケーションという共通言語が不可欠です。

これまであまり注目されてこなかった“伝える力”“受け取る力”に目を向けることで、現場の空気が変わり、生産性も、働く人の満足度も変わっていきます。

今こそ、現場力にプラスして“対話力”を育てる時ではないでしょうか。
製造業にとってのビジネスコミュニケーションは、単なる研修テーマではなく、組織の進化に直結する投資なのです。

ぜひ、一度弊社までお気軽にご相談ください。

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