新卒採用 vs 中途採用:企業にとってどちらが有効か?

企業が人材を採用する際、新卒採用と中途採用のどちらが良いのかという議論は絶えません。それぞれにメリット・デメリットがあり、企業の状況や採用の目的によって適した選択肢が異なります。本コラムでは、新卒採用と中途採用の特徴を比較し、企業にとってどちらが有効なのかを考えていきます。

新卒採用のメリットとデメリット

新卒採用のメリット

新卒採用の最大のメリットは、企業の文化や価値観に合った人材を育成しやすいことです。社会人経験のない新卒者は、企業の方針を素直に受け入れる傾向があり、社内で一から教育することで、長期的に活躍できる人材へと成長させることができます。また、組織全体の統一感を保ちやすく、チームワークの強化にもつながります。

次に、新卒採用による若手のエネルギーや新しい発想が、企業に良い影響を与えることもあります。デジタルネイティブ世代の新卒社員は、最新のIT技術やSNSを活用した情報収集に長けており、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にも貢献できます。社内に新しい風を吹き込み、成長を促進する可能性が高い点は魅力的です。

さらに、給与コストを抑えやすいという点も、新卒採用のメリットの一つです。一般的に、新卒採用の方が中途採用に比べて初任給が低く、企業側の負担が軽減されます。また、計画的に採用を行うことで、人員の増減を管理しやすく、企業の成長スピードに合わせた人材確保が可能になります。

新卒採用のデメリット

新卒採用のデメリットの一つは、即戦力としての活躍が期待しにくいことです。社会人経験がないため、業務を覚えるのに時間がかかり、企業は教育や研修に多くのコストと時間をかける必要があります。特に、専門知識や高度なスキルを要する業務では、即戦力化までに時間がかかるため、短期的な成果を求める企業には向かない場合があります。

また、新卒市場の競争は年々激化しており、大手企業や人気企業が優秀な新卒者を先に確保してしまう傾向があります。特に中小企業では、知名度や待遇の面で大手と比較され、不利になりやすいため、採用ブランディングを強化しなければならないという課題があります。

さらに、最近の若手世代はキャリア志向が多様化しており、早期離職するケースも少なくありません。企業の文化や仕事の内容が合わないと感じた場合、数年以内に転職を考えることが一般的になっており、新卒採用の定着率が下がるリスクも考慮する必要があります。

中途採用のメリットとデメリット

中途採用のメリット

中途採用の最大のメリットは、即戦力として活躍できる人材を確保できることです。業界経験や専門スキルを持った人材を採用することで、短期間での成果が期待できます。例えば、新規事業の立ち上げやプロジェクト推進など、特定のスキルを必要とする場面では、中途採用が非常に有効です。

また、企業が抱える課題を解決するために、特定のスキルや経験を持つ人材をピンポイントで採用できるのも中途採用の魅力です。例えば、経理やITエンジニア、マーケティングの専門職などは、新卒から育成するよりも、経験者を採用した方がスムーズに業務を進めることができます。

さらに、中途採用は新卒採用と異なり、通年で柔軟に採用活動を行える点もメリットです。新卒採用は年度ごとの一括採用が基本ですが、中途採用は必要に応じて随時行うことができます。急な人員不足や事業拡大に対応しやすく、企業の成長スピードに合わせた人材確保が可能になります。

中途採用のデメリット

一方で、中途採用にはコストがかかるというデメリットがあります。特に、即戦力として活躍できる優秀な人材を確保するためには、高めの給与を提示する必要があり、採用コストが高くなりがちです。また、競争が激化しているため、優秀な人材がすぐに見つかるとは限らず、採用活動が長期化するケースもあります。

さらに、中途採用者はすでに別の企業文化を経験しているため、自社の文化に馴染むまでに時間がかかることがあります。特に、前職のやり方にこだわりが強い場合、新しい環境に適応しづらく、社内の既存メンバーとの摩擦が生じることもあります。企業文化や価値観の違いによって、期待していたパフォーマンスが発揮できないリスクも考慮しなければなりません。

また、中途採用者が入社後に期待していた仕事内容や待遇と実際の業務内容が異なると感じた場合、早期離職につながる可能性もあります。即戦力として採用したにも関わらず、短期間で退職されてしまうと、再び採用活動を行う必要があり、結果として時間とコストのロスにつながることがあります。

企業にとってどちらが有効か?

新卒採用と中途採用、どちらが有効かは企業の状況や目的によります。

新卒採用が向いている企業

・長期的に人材を育成したい
・会社の文化に合う人材を確保したい
・若手のエネルギーや新しい発想を取り入れたい
・採用コストを抑えながら計画的に人材を増やしたい

中途採用が向いている企業

・即戦力が必要である
・事業拡大や新規プロジェクトに対応する専門人材を確保したい
・採用活動を通年で柔軟に行いたい
・研修や教育にかかるコストを最小限にしたい

まとめ

新卒採用と中途採用には、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。企業の成長ステージや戦略に応じて、どちらの採用手法が適しているかを見極めることが重要です。採用活動を単なる人材補充ではなく、企業の未来をつくる戦略的な取り組みと捉え、計画的に実施することで、自社にとって最適な人材を確保することができます。

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