春。新しい仲間を迎えるこの時期、多くの企業で「新人歓迎会」が行われます。
形式はさまざまでも、「一緒に働く仲間として歓迎の気持ちを伝える」という本質は変わりません。
ただし、その「歓迎会」、うっかりすると逆効果になってしまうこともありえます。
せっかくの機会を実りあるものにするために、今回は新人歓迎会で気を付けたいポイントをいくつかの観点から整理してみましょう。
“歓迎されている感”をちゃんと伝える
新人にとって、最初の会社行事が歓迎会です。
この場で「本当に歓迎されてる」と感じてもらえるかどうかで、会社への印象も変わってきます。
名前をしっかり覚えて呼ぶ
名前を呼ばれるだけで、心理的な距離はぐっと縮まります。「〇〇さん、ようこそ!」は魔法の言葉。
自己紹介タイムの工夫
新人が一方的に自己紹介するだけでなく、先輩側も簡単な自己紹介をすると、双方向のつながりが生まれます。
歓迎の言葉をきちんと伝える
形式でも構いません。「一緒に働けて嬉しい」「期待してます」など、明るく前向きな言葉を伝えることが大切です。
“無理をさせない”おもてなしの配慮
歓迎会で大切なのは「新人に心地よく過ごしてもらうこと」。
つい盛り上がりを優先してしまうと、配慮を欠いた振る舞いになりがちです。
飲酒の強要は絶対NG
体質・宗教・価値観など、飲めない理由は人それぞれ。飲まない選択も100%尊重することが信頼の第一歩です。
無理な盛り上げやゲームの強要も避ける
全員がワイワイするのが楽しいとは限りません。場の空気は読みつつも、「見てるだけ参加」もOKな雰囲気を。
一次会で解散が基本
「行きたい人だけ二次会へ」というスタンスを明確に。新人は遠慮して断りづらいことも多いので、無言のプレッシャーをかけないように。
「話す・聞く」のバランスを大切に
歓迎会では、どうしても先輩が話しすぎてしまいがちです。
でも本当に大切なのは、新人が「安心して話せる場」をつくること。
質問ベースで会話する
「何に興味があるの?」「どんなことしてきたの?」など、好奇心を持って聞く姿勢が鍵です。
共感を大切に
「分かる」「自分もそうだったよ」など、新人の気持ちに寄り添った反応を意識すると、信頼関係が深まりやすくなります。
一方通行の武勇伝はほどほどに
昔話や成功談も悪くはありませんが、自己アピールばかりになると逆効果。「新人のための場」という視点を忘れずに。
幹事・マネジメント側の役割も大きい
場をつくる幹事やマネジメント層には、より一層の配慮と気遣いが求められます。
テーブル配置や席順に気を配る
話しやすい雰囲気になるよう、堅苦しすぎず、でも孤立が生まれないような工夫をしましょう
食事・飲み物の種類も配慮
アルコール以外にも選択肢を。最近はノンアルコールのバリエーションも豊富です。
困っていそうな人がいたらサポートする
新人が話しづらそうだったり、雰囲気になじめていなかったりしたら、そっと声をかけるのも幹事や先輩の役目です。
最後に:「誰のための会か」を忘れない
歓迎会は、会社のためでも、先輩のためでもなく、「新人のため」の場。
このシンプルな原点をチーム全体で共有できれば、きっと新人にとっても、先輩たちにとっても温かい時間になるはずです。
“たーまには”飲み会もいい。
でも、それが誰かのプレッシャーにならず、ちゃんと意味ある時間になるように。
そんな気遣いができる会社は、きっと普段のコミュニケーションもうまくいっている会社です。