入社初日で退職 〜企業ができる3つの対策〜

「入社1日で辞めた新人がいるんです」

ある企業の人事担当者が、ため息混じりにそう話してくれたことがありました。新卒で入社したAさん。初日はオリエンテーションやオフィスツアーを終え、夕方にはチームでの歓迎会。ごく普通の、むしろ丁寧な“はじまり”に見えました。ところが翌朝、Aさんから連絡がこず、問い合わせると体調が悪いとのこと。そのまま一度も来ずに退職になりました。

驚きや戸惑いとともに、「今どきの若者は…」とため息をつく声もあります。しかし、こうした“超早期離職”は今や珍しくありません。中には、数時間で帰ってしまうケースすらあるのです。

では、なぜそんなにも早く「辞める」という判断に至るのでしょうか?

ひとつの理由は、情報の非対称性です。
就職活動中、学生は企業研究をしますが、多くはWebサイトや採用パンフレット、説明会など“表面的な情報”に頼らざるを得ません。企業側もまた、よく見せようとするあまり、本音やリアルを見せきれていないケースが多い。
結果、入社してはじめて「思っていたのと違った」となるわけです。

では、こうしたギャップを防ぐために、企業ができる対策を3つ提示いたします。

「リアル」を伝える採用広報

きれいな言葉だけの会社紹介ではなく、実際の働き方や雰囲気、厳しい面も含めた“リアル”を発信しましょう。例えば、若手社員の1日のスケジュールを密着動画にしてみる、現場社員とのカジュアル面談を導入するなど、「顔が見える採用」は大きな安心感を与えます。

選考中から「相互理解」を意識する

面接は“評価”の場ではなく“対話”の場。相手を見極める以上に、「自社を選んでもらうために、誠実に情報提供をする」ことが重要です。自社に合わない人を無理に採用しない勇気も必要です。

入社前フォローの強化

内定から入社までの期間に、「ちゃんと繋がっている感」を持ってもらうことは大切です。定期的なコミュニケーション、先輩との交流イベント、eラーニングや事前課題など、段階的に会社との接点を増やすことで、“入社後のギャップ”を減らせます。

まとめ

「辞められた」と落ち込むのではなく、「どうすれば防げたか」と振り返ることが大事です。その繰り返しが、結果的に“辞めない組織”をつくっていきます。

採用は「数合わせ」ではなく「価値観のマッチング」。その感覚を持てる会社は、今後も確実に選ばれていくはずです。

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