「礼儀正しいだけでは足りない」新卒の“接遇”力が企業の印象を決める時代へ

春、新卒社員が入社し、オフィスに新しい空気が流れていることでしょう。企業にとっては期待と同時に、「ちゃんと育てられるだろうか」「お客様に出しても大丈夫だろうか」といった不安も大きくなる時期です。
(弊社は愛知県に本社を設置しており、愛知のお客様の依頼が多いため、今回は愛知のお客様のことについて主で記させていただきます。)

愛知県では、製造業や建設業、サービス業を中心に「現場での対人対応が求められる」シーンが多く、マナーの良し悪しだけでなく、“感じの良さ”や“配慮のある言動”が取引に影響するケースが少なくありません。
そうした中、近年多くの企業が導入を検討しているのが、「接遇研修」です。
“マナー”だけでは足りない、“信頼される振る舞い”を新卒にどう伝えるか。その重要性が改めて問われています。

マナーと接遇の違い

まず、接遇とマナーの違いについて整理してみましょう。

マナーとは、「社会的に適切とされる行動の型」。たとえば、名刺交換の作法や正しい言葉遣いなどがこれにあたります。多くの企業が4月の新入社員研修で取り入れている基本スキルです。

一方、接遇とは「相手の立場に立ち、思いやりと敬意をもって対応する力」。
つまり、マナーが“型”なら、接遇は“心”です。

たとえば、体調が悪そうなお客様に椅子をすすめる、名刺交換のときに相手の手がふさがっていれば少し待つ、電話の声のトーンを相手に合わせる――こうした気配りや空気を読む力が、接遇力です。

言い換えれば、マナーは「覚えればできること」、接遇は「磨かないと身につかないこと」。
だからこそ、新卒のうちにこの意識を育てておくことが、今後の成長と信頼構築に大きく影響してくるのです。

愛知の企業が“接遇力”を重視する理由

愛知県は、製造業・建設業・自動車関連産業が強く、取引先や下請け先など多くの関係者と日々コミュニケーションをとる地域です。
また、地域で雇用を生み出し、地域に貢献する(価値を生み出す)。地域密着型の企業が多く、「あの会社の社員は感じがいいね」といった“人柄による評価”が、意外にも大きな影響を持っています。

そのため、「言葉遣いが丁寧」「礼儀正しい」だけでは足りず、相手に“誠実さ”や“信頼できそう”という印象を与えられる人材が求められる傾向にあります。

ところが実際のところ、愛知県内の多くの企業からは次のような声が寄せられています。

・マナー研修はしたが、実践に活かされていない
・型通りの言葉遣いにとどまり、会話がぎこちない
・お客様との距離の取り方や対応が不自然で不安が残る

これらの課題は、まさに“接遇力の不足”がもたらしているものなのです。

なぜ新卒のうちに接遇を学ばせるべきか?

新卒社員は、社会人としての土台を築く最初のステージに立っています。この時期に“お客様との向き合い方”や“信頼関係の築き方”をしっかりと学ばせておくことで、以下のような効果が期待できます。

第一印象で企業全体の評価が上がる

新人であっても、名刺交換や挨拶の瞬間で「感じの良い会社だ」と思わせることは可能です。接遇力は、会社の“顔”としての信頼感を高めます。自分のお客様でなくても、笑顔で接したり、挨拶だけでなく、エレベーターのボタンを押すなど、当たり前のことかもしれませんが、できない人も多いのです。

クレームやトラブルの芽を摘める

相手に対する配慮や観察力がある人材は、相手の違和感や不満に早く気づくことができます。これにより、未然にトラブルを防ぐ予防が可能になります。接遇を学んだから防ぐことができるわけではないですが、相手をしっかりと観察するという癖付けが予防につながります。

応用力・柔軟性が育つ

接遇研修では、状況に応じた対応力が問われます。場面に合わせて言葉や行動を変える訓練は、マニュアルでは対応できない実務にも強くなる下地を作ります.

よくある誤解:「接遇はサービス業だけのもの」

「うちは製造業だから、お客様対応は少ない」
「営業や受付ではないから、接遇は関係ない」

このような考え方をされる企業もありますが、実際には、すべての社員が“社外の誰かと関わる”機会を持っているのが現代のビジネスです。

たとえば、現場スタッフが来社した取引先を案内する場面、電話での技術的な問い合わせ対応、会議でのプレゼンや説明――いずれも“人との接点”です。
そしてそのすべての瞬間で、企業としての姿勢や印象が評価されているのです。

だからこそ、職種や立場に関係なく、“社会人としての接遇力”は重要な武器となります。

接遇は“心を鍛える研修”である

接遇研修は、単に立ち方や言葉遣いを教えるものではありません。
相手を思いやる心を持ち、どう行動に移すかを自ら考えられるようにする“心の訓練”でもあります。

新卒社員のうちにこの土台ができているかどうかは、3年後・5年後の姿に大きな違いを生みます。
どれだけ知識やスキルを積み重ねても、人としての信頼がなければ仕事は前に進みません。

愛知県の企業にとって、今後も人と人のつながりを大切にしながら発展していくために、接遇教育は欠かせないテーマです。

“社会に出る第一歩は、接遇から”。
新卒社員が誇りをもって働けるよう、今こそ「型」と「心」を育てる接遇研修を見直してみませんか。

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